酒場文化研究所

お酒の「おいしい」に絶対はあるか?

ご飯を食べてもお酒を飲んでも、人は簡単に「おいしい」と言う。「おいしい」という感覚は幸福であり、生きる喜びでもある。しかし、食べ物の「おいしい」とお酒の「おいしい」は若干違う気がしている。インドのヨガ仙人など特殊な例を除くと、生きるためにご飯を食べないわけにはいかないが、お酒はそうではない。また、ご飯は大食いファイターなどこれまた特殊な例を除くと何時間も食べ続けるということはない。お酒は違う。

2019.11.28

「日本酒は新しいほうがいい?」日本酒の都市伝説について

以前とある会合でお酒について講義をする機会を頂いたことがある。「間違いだらけの○○」といったタイトルで、お酒に関する世間の「常識」に如何に誤解が多いかという話をした。前項でも書いた「良いお酒を熱燗にしてはならない」という不可思議な都市伝説のほか、「磨けば磨くほど美味しくなる」という大吟醸至上主義や「金賞受賞の酒は間違いない」といった権威崇拝主義を次々と斬り捨てていくというやや過激な内容だったのだが、思いの外ウケが良かった。

2019.11.7

【続】「日本酒ブーム」は本当なのか?

第1稿から、多くの日本酒ファンを敵に回すようなことを書いてしまったが、誤解しないでいただきたいのは、日本酒が苦境にあるとしても悪いのは飲み手ではないということだ。まず何よりも、私も含めお酒を提供する立場の人間がもっと日本酒のことを知らなければならないと強く思う。そもそも私が純粋な飲み手から提供する側(飲み手としてのポジションは継続しつつ)に足を突っ込むことになったのは、日本酒を提供している飲食店の多くが不勉強であることに義憤を抱いたからである。燗酒に目覚め始めた頃の私が、「こだわりの地酒」と看板を掲げた店で落胆する羽目になったことは数に限りがない。

2019.11.7

「日本酒ブーム」は本当なのか?

日本酒がブームとは随分前から耳にしている気がするが、本当に日本酒はブームなのだろうか?
日本酒と一口に言ってもいろいろな潮流があるから、部分的にはブームと呼べるような現象も起こっているのかもしれない。しかしアルコール市場全体の衰退、中でも清酒(日本酒)のシェアが減り続けている現実を見れば、日本酒ブームと言われるものの正体について疑問を持たざるを得ない。

2019.11.7